胆嚢がんの検査

胆嚢がんの検査には、がんの診断、ステージング、治療計画の立案を行うためのさまざまな方法があります。以下に主要な検査方法を示します:

  1. 血液検査:
  • 肝機能検査: 肝臓の機能を評価するために、ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)、AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)、ALP(アルカリフォスファターゼ)、ビリルビンなどの値を測定します。
  • 腫瘍マーカー: CA19-9などの腫瘍マーカーのレベルを測定します。胆嚢がんにおいては、CA19-9が上昇することがありますが、他の胆道疾患や消化器疾患でも上昇することがあります。
  1. 腹部超音波検査(エコー):
  • 説明: 高周波の音波を使って胆嚢や胆道の画像を取得します。胆嚢の腫瘍や胆道の異常を検出するのに役立ちます。
  • 特徴: 非侵襲的で、胆嚢がんのスクリーニングや経過観察に使用されます。
  1. CTスキャン(コンピュータ断層撮影):
  • 説明: X線を用いて体内の断面画像を取得し、胆嚢や胆道の腫瘍の広がりや転移の有無を評価します。
  • 特徴: 詳細な画像を提供し、胆嚢がんの診断やステージングに役立ちます。
  1. MRI(磁気共鳴画像):
  • 説明: 強い磁場とラジオ波を用いて胆嚢や胆道の詳細な画像を取得します。腫瘍の性質や広がりをより正確に評価するのに役立ちます。
  • 特徴: 軟部組織の詳細な画像を提供し、他の疾患との区別や局所的な評価に有用です。
  1. ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影):
  • 説明: 内視鏡を用いて胆管に造影剤を注入し、X線で胆道の画像を取得します。胆道の閉塞や腫瘍の位置を確認するのに役立ちます。
  • 特徴: 胆道の異常を検出し、胆道内の異常な部分を生検することもできます。
  1. PTC(経皮的経肝胆管造影):
  • 説明: 超音波またはCTのガイド下で肝臓に針を刺し、胆管に造影剤を注入してX線で胆管の画像を取得します。胆管の閉塞や異常を評価するために使用されます。
  • 特徴: 胆道の詳細な画像を提供し、胆道にアクセスして生検を行うことも可能です。
  1. 胆嚢生検:
  • 説明: 胆嚢から小さな組織サンプルを採取し、顕微鏡でがんの有無や性質を確認します。生検は通常、内視鏡検査や手術の際に行います。
  • 特徴: 胆嚢がんの診断を確定するための検査です。
  1. 腹部超音波ガイド下生検:
  • 説明: 超音波を使用して生検を行う位置を確認しながら胆嚢から組織サンプルを採取します。
  • 特徴: 腫瘍の正確な位置にサンプルを採取するために使用されます。

これらの検査は、患者の症状や状態に応じて選択されます。診断結果に基づいて、胆嚢がんのステージングや治療計画が決定されます。専門医と相談して、最適な検査方法を選ぶことが重要です。

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