子宮体癌（子宮内膜癌）の治療は、がんのステージ（病期）、腫瘍の大きさ、患者の健康状態、治療の目的（治癒、症状の緩和など）に基づいて決定されます。以下に主要な治療法を示します：
- 外科手術:
- 子宮全摘出術（子宮摘出術）: がんの治療で最も一般的な方法で、子宮全体を摘出します。進行度に応じて、卵巣や卵管も同時に摘出することがあります（卵巣摘出術、付属器摘出術）。
- リンパ節郭清（リンパ節切除）: がんが周囲のリンパ節に広がっている場合、リンパ節も摘出することがあります。
- 放射線療法:
- 外部放射線療法: 放射線を体外から照射し、がん細胞を攻撃する方法です。手術後の残存がん細胞の治療や、手術ができない場合に使用されます。
- 内照射療法（ブレイキセラピー）: 放射線源を直接腫瘍に近い部位に配置して局所的に放射線を照射する方法です。膣内に放射線源を挿入して治療を行います。
- 化学療法:
- 説明: 薬剤を使用して全身のがん細胞を攻撃する治療法です。子宮体癌が進行している場合や転移がある場合に使用されることがあります。
- 薬剤: 化学療法にはいくつかの薬剤が使用されることがありますが、子宮体癌にはシスプラチンやドキソルビシンなどが使われることがあります。
- ホルモン療法:
- 説明: ホルモンの影響を受けるがん（ホルモン受容体陽性のがん）に対して使用される治療法です。エストロゲンやプロゲステロンの働きを抑えることでがんの成長を抑制します。
- 薬剤: タモキシフェンやアロマターゼ阻害剤などが使用されることがあります。
- 分子標的治療:
- 説明: がん細胞の特定の分子や経路を標的にする治療法です。子宮体癌には、進行した場合に分子標的治療が検討されることがありますが、現在のところ標準的な治療法としてはあまり一般的ではありません。
- 免疫療法:
- 説明: 免疫系を活性化してがん細胞を攻撃する治療法です。子宮体癌には一部のケースで免疫療法が検討されることがありますが、現在のところ一般的な治療法としては広く用いられていません。
- 緩和ケア:
- 説明: 症状の緩和や生活の質の向上を目的としたサポートケアです。痛みの管理、栄養サポート、心理的サポートなどが含まれます。進行した子宮体癌の患者に対して重要な役割を果たします。
治療の選択は、個々の患者の状態やがんの進行度によって異なるため、専門医と相談し、最適な治療計画を立てることが重要です。また、治療の進行に応じて定期的なフォローアップや検査を行い、適切なケアを受けることが予後の改善に繋がります。
