卵巣がんの検査

卵巣がんの検査は、がんの診断、病期(ステージング)、治療計画の立案に役立ちます。以下に主な検査方法を示します:

1. 超音波検査(エコー)

  • 説明: 腹部や骨盤に超音波をあてて、卵巣のサイズや形状、腫瘍の有無を評価します。腫瘍の大きさや構造、周囲の組織との関係を確認するのに役立ちます。
  • 特徴: 非侵襲的で、卵巣がんの初期評価に広く使用されます。

2. CTスキャン(コンピュータ断層撮影)

  • 説明: X線を使用して腹部や骨盤の断面画像を取得します。がんの広がりや転移の有無を評価するのに役立ちます。
  • 特徴: がんのステージングや転移の確認に重要です。

3. MRI(磁気共鳴画像)

  • 説明: 強い磁場とラジオ波を使用して卵巣や周囲の組織の詳細な画像を取得します。腫瘍の広がりや局所的な評価に有用です。
  • 特徴: 軟部組織の詳細な画像を提供し、治療計画に役立ちます。

4. 腹腔鏡検査

  • 説明: 腹部に小さな切開を行い、腹腔鏡(カメラ)を挿入して内部を観察します。直接的に腫瘍の状態を確認し、生検を行うことができます。
  • 特徴: より詳細な内部の評価が可能で、必要に応じて治療(例えば、腫瘍の一部切除)も行うことがあります。

5. 生検

  • 説明: 腫瘍から組織サンプルを採取し、顕微鏡で調べることで、がんの診断を確定します。腹腔鏡検査や超音波ガイド下での生検が行われることがあります。
  • 特徴: がんの種類やグレード(悪性度)を診断するために不可欠です。

6. CA-125検査

  • 説明: 血液中のCA-125という腫瘍マーカーのレベルを測定します。卵巣がんに特異的ではありませんが、がんの存在や進行状況、治療の反応を評価するのに役立ちます。
  • 特徴: 血液検査で簡単に実施できますが、CA-125のレベルは他の疾患や状況でも上昇することがあるため、単独での診断には限界があります。

7. PETスキャン(陽電子放射断層撮影)

  • 説明: 放射性トレーサーを使用してがんの代謝活動を評価します。転移や再発の有無を確認するのに役立ちます。
  • 特徴: がんの広がりをより正確に評価するために用いられることがあります。

8. 遺伝子検査

  • 説明: 遺伝的な要因が関与している場合があるため、BRCA1やBRCA2などの遺伝子変異を調べることがあります。特に家族歴がある場合や、治療の選択肢を考える際に役立ちます。
  • 特徴: 遺伝子検査により、予防策や治療法の選択に影響を与えることがあります。

これらの検査は、個々の患者の状況に応じて組み合わせて行われることがあります。検査結果に基づいて、適切な治療計画が立てられます。検査の選択や実施については、医師と相談し、最適な方法を決定することが重要です。

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