がんが寛解している時にやるべき検査

がんが寛解している場合、再発や転移の兆候を監視するために定期的な検査が重要です。寛解後でも、早期に再発を発見し、迅速な対応を行うことで治療の効果を最大限に高めることができます。以下は、がん寛解中に行うべき代表的な検査のリストです。CTC検査(循環腫瘍細胞検査)を含めて構成しています。

1. 定期的な診察と問診

  • 定期的な医師の診察で、体調の変化や症状の確認が行われます。医師は患者の報告をもとに、再発の可能性がある兆候を確認し、必要に応じて追加の検査を指示します。

2. CTC検査(循環腫瘍細胞検査)

  • CTC検査は、血液中に流れる循環腫瘍細胞を検出する検査です。再発や転移の早期発見に役立ち、がんが再び活動を始めているかどうかを確認する非侵襲的な方法として注目されています。特にがんが進行する前に早期に検出できる可能性があるため、寛解後の経過観察において非常に有効です。

3. 画像診断検査

  • CTスキャン(コンピュータ断層撮影): がんが再発したり転移したりしていないかを調べるために、体内の詳細な画像を撮影します。定期的なCTスキャンにより、肺、肝臓、骨などの異常を早期に検出します。
  • MRI(磁気共鳴画像法): 特定の部位(脳や脊髄など)でより精密な画像が必要な場合に使用され、再発や転移の検出に有効です。
  • PETスキャン: がん細胞の活動を視覚化するために使用され、がんが活動しているかどうかを確認するための効果的なツールです。再発や転移の疑いがある場合に特に用いられます。

4. 血液検査

  • 腫瘍マーカー検査: 血液中の腫瘍マーカーのレベルを測定することで、がんの再発の兆候を確認します。代表的な腫瘍マーカーには、以下があります。
    • CEA(癌胎児性抗原): 特に大腸がんや肺がんの再発監視に使用されます。
    • CA-125: 卵巣がんの経過観察に使用されます。
    • PSA(前立腺特異抗原): 前立腺がんの再発を確認するために用いられます。
  • 全血球計算(CBC): 白血球、赤血球、血小板の数を測定し、がん再発の兆候を早期に察知します。血液がんや他のがんの監視に使用されます。

5. 骨スキャン

  • がんが骨に転移していないかを確認するために使用されます。特に乳がんや前立腺がん、肺がんなどは骨に転移するリスクがあるため、骨スキャンを定期的に行います。

6. 内視鏡検査

  • 大腸内視鏡検査胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)などは、消化器系のがんが再発していないか、新たな病変が発生していないかを確認するために用いられます。特に大腸がんや胃がんの寛解後は重要です。

7. バイオプシー(生検)

  • 画像診断や血液検査で異常が発見された場合、組織の一部を採取して再発や転移を確認するためにバイオプシーが行われます。がん細胞の有無を直接確認するための最終的な診断方法です。

8. 胸部X線検査

  • 肺や胸部にがんが再発していないかを確認するために、胸部X線検査が行われます。特に肺がんの再発監視に役立ちます。

9. 骨髄検査

  • 血液がんやリンパ腫の再発が疑われる場合、骨髄を検査して異常細胞の有無を確認します。骨髄の状態を調べることで、がんの再発の兆候を早期に発見できます。

10. 遺伝子検査

  • 遺伝子変異や分子レベルでの変化を検出することで、再発リスクを評価したり、個別化治療のための情報を得たりすることができます。特に分子標的治療を行っている患者には重要な検査です。

まとめ

がんが寛解している時期における定期的な検査は、再発や転移を早期に発見し、迅速に対応するために欠かせません。CTC検査をはじめとする血液検査、画像診断、内視鏡検査など、状況に応じたさまざまな検査を組み合わせることで、がんの再発を早期に察知し、適切な対策を講じることが可能です。担当医と相談して最適な検査スケジュールを作成することが重要です。

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