おりもの(膣分泌物)検査は、婦人科の一般的な検査の一つで、感染症の有無や異常な細菌の増殖、その他の健康状態を確認するために行われます。おりものの状態を調べることで、特定の病気や感染症が疑われる場合には、より詳細な検査や適切な治療法を見つけるための手がかりが得られます。
特に「おりもの検査」と「がん」との関連については、子宮頸がんや外陰がん、膣がんといった婦人科系のがんのリスク評価や、早期発見のために役立つことがあります。おりもの検査で異常が見つかった場合には、追加で細胞診(子宮頸部細胞診)やHPV(ヒトパピローマウイルス)検査、場合によっては組織検査なども行われることがあります。
子宮頸がん、外陰がん、膣がんの特徴や違いについての説明です。
1. 子宮頸がん
子宮頸がんは、子宮の入り口部分にあたる「子宮頸部」に発生するがんです。このがんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染が主な原因とされています。HPVには多くの型がありますが、特に16型と18型が子宮頸がんのリスクを高めるとされています。
- 症状:初期には症状がほとんどないことが多いですが、進行すると不正出血、性交痛、おりものの異常が現れることがあります。
- 予防:HPVワクチン接種や定期的な子宮頸がん検診(子宮頸部細胞診)で、がんのリスクを低減でき、早期発見が可能です。
- 治療:早期には外科的切除や円錐切除が主な治療法で、進行している場合は放射線治療や化学療法も組み合わせることがあります。
2. 外陰がん
外陰がんは、女性の外性器(外陰部)に発生するがんです。特に年齢が高い女性で多くみられ、HPV感染が一因とされることもありますが、長期にわたる皮膚疾患が引き金となる場合もあります。
- 症状:かゆみ、痛み、しこり、不正出血などが外陰部に現れ、初期症状がわかりやすい場合もあります。
- 予防:定期的な婦人科検診が予防につながり、早期発見が重要です。
- 治療:早期には外科的切除が選択されることが多く、進行している場合は化学療法や放射線治療が検討されます。
3. 膣がん
膣がんは、膣の内側の組織に発生する比較的まれながんです。多くはHPV感染が関連しており、他の婦人科がん(特に子宮頸がん)からの転移が原因となる場合もあります。
- 症状:不正出血、痛み、排尿時の違和感や性交痛が現れることがあります。
- 予防:HPV感染を予防することでリスクを低減でき、定期的な婦人科検診で早期発見が可能です。
- 治療:膣内に限定されている場合は外科的切除が選択されることが多く、進行している場合には放射線治療や化学療法が行われます。
特に子宮頸がんは早期発見が重要であり、定期的な検診を受けることでリスクを減らせる可能性があります。