なぜ生え際と頭頂部は薄毛になりやすいの?原因やチェック方法を紹介

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生え際や頭頂部は薄毛になりやすいといわれていますが、原因が何か分からない人も多いでしょう。本記事では、生え際や頭頂部が薄毛になりやすい原因や薄毛のチェック方法を紹介します。

生え際や頭頂部は薄毛になりやすいといわれていますが、原因が何か分からない人も多いでしょう。本記事では、生え際や頭頂部が薄毛になりやすい原因や薄毛のチェック方法を紹介します。薄毛の疑いがある場合は、早めの受診が大切です。

生え際や頭頂部が薄毛になる原因

生え際や頭頂部が薄毛になりやすいのには、さまざまな理由があります。ここでは、薄毛の主な原因となる6つの理由を紹介します。

AGA(男性脱毛症)

AGAとは、日本人男性の3人に1人が発症するといわれている進行性の脱毛症です。薄毛の原因は一つではありませんが、日本人男性の約9割以上がAGAによる薄毛といわれています。AGAは、遺伝やホルモンの影響により生じる脱毛症で、男性だけではなく女性でも起こるケースがあります。

男性ホルモンの一つであるテストステロンが、頭皮にある5αリダクターゼという酵素の影響を受けてDHTに変化し、ホルモンレセプターと結合すると脱毛因子が生成されて抜け毛が発生しやすくなる仕組みです。頭頂部と生え際の毛包には、アンドロゲン受容体(男性ホルモン受容体)が特に多く、5α-リダクターゼという酵素の活性が高い傾向があります。そのため、頭頂部と生え際ではより薄毛が発生しやすいといえるでしょう。

AGAは一度発症してしまうと、自然に治ったり、途中で薄毛が止まったりすることはありません。早めの対策が必要です。

頭皮の環境が良くない

生え際や頭頂部の薄毛は、日焼けや乾燥、皮脂の過剰分泌、フケなどの頭皮環境の悪化により発生する場合があります。皮脂が過剰に分泌され毛穴に蓄積すると、酸化により雑菌が繁殖する恐れがあります。毛穴がふさがってしまうと、毛髪の成長に悪影響を及ぼすでしょう。また髪の毛を洗いすぎて、必要な皮脂まで流してしまうと皮膚炎や薄毛の原因となるため注意が必要です。

生活習慣の乱れ

睡眠不足やストレス、運動不足、バランスの悪い食事、飲酒、喫煙などの生活習慣の乱れも、生え際や頭頂部の薄毛の原因になります。睡眠不足やストレスは、毛髪の成長を妨げ、栄養バランスの悪い食事は、毛髪が成長するのに必要な栄養素の不足を招き、結果的に毛髪が細くなったり、抜け毛が発生したりする恐れがあります。

運動不足や喫煙、飲酒などは血管の収縮や血行の悪化を招き、毛周期が乱れることで薄毛の原因となる可能性があるでしょう。毛髪の健康は血流と栄養供給に依存します。頭頂部と生え際は、他の頭皮部分に比べて血管が細く、血流が少ないため栄養が十分に届きにくいとされています。血流が不十分だと、毛包に必要な酸素や栄養素が届かず、毛髪の成長が阻害されてしまうでしょう。

加齢による男性ホルモンの変化

年齢を重ねると男性ホルモンの分泌に変化が生じ、抜け毛を促進させるDHTが分泌されやすくなります。また、加齢は毛髪の成長サイクルを短くし、休止期の毛髪が増加することで、新しい毛髪の成長が遅れるため、全体の毛量が減ってしまうと考えられます。

毛髪は成長期、退行期、休止期の3つのサイクルを繰り返しており、成長期は2~7年続き、毛髪が成長する時期です。退行期は2~3週間で、毛根が収縮し、成長が止まります。休止期は3~4ヶ月で、毛が抜けて次の成長期が始まります。頭頂部と生え際の毛包(毛根を包む組織)は、他の部位に比べてこのサイクルが短く、成長期が短くなる傾向です。

また、加齢は頭皮の血流悪化を招き、毛根へ十分な栄養が行き渡らなくなり、毛髪の成長が阻害されてしまうでしょう。

遺伝的要因

頭頂部や生え際の薄毛は、遺伝的な要因も関係しているといわれています。特定の遺伝子変異や家族歴があると、頭頂部と生え際の毛包がホルモンの影響を受けやすい傾向です。そのため、同じ遺伝子を持つ家族内で共通して薄毛が見られることがあります。

外的要因

日常生活の中で、頭頂部と生え際は物理的なストレスを受けやすく、薄毛が生じやすいと考えられます。例えば、帽子の使用や頭皮への過度な刺激は、毛包に負担をかけてしまいます。また、紫外線などの環境要因も、頭頂部と生え際の毛髪にダメージを与えやすい要素です。

頭頂部の薄毛を見分けるポイント

ここでは、頭頂部の薄毛を見分けるポイントを3つ紹介します。つむじはげは、自分では気付かず、人から指摘されて初めて気付く人もいるでしょう。しかし、薄毛が進行する前に対策を打つためにも、セルフチェックで気付けるようにすることが大切です。

頭皮が透けて見えるか

つむじの中心部は基本的に地肌が見えているものですが、つむじハゲが進行するとつむじの中心がぼんやりするとともに、渦巻の流れが不鮮明になる特徴があります。またつむじに限らず頭皮が透けて見える範囲が広くなってきた場合、薄毛が考えられます。

頭頂部のボリュームが少なくなった

頭頂部のボリュームが減ったことを実感している場合、薄毛の可能性が高いでしょう。つむじ周辺の髪の毛が柔らかくなってきたり、毛量が減ってきたりしていると感じた場合は、病院や専門クリニックへの相談も一つの手段です。ヘアサイクルが乱れると、髪が成長しきる前に抜けてしまう軟毛化が生じやすいといわれています。

毛根の丸みがない

薄毛が生じていない健康な髪の毛の毛根は丸みを帯びていますが、髪の毛の成長が阻害されている毛根は、細長くなっているのが特徴です。抜け毛の毛根を確認して細長い形をしている場合は、何らかの原因で毛髪が成長し切る前に抜けてしまっている恐れがあると考えましょう。また、毛根が黒い場合も、髪の毛が成長中に抜けてしまったことを意味します。

生え際の薄毛を見分けるポイント

ここでは、生え際の薄毛を見分けるポイントを3つ紹介します。生え際は徐々に後退していくとなかなか気付きにくいものです。チェックポイントを把握して定期的にチェックをして、薄毛が生じていないか分かるようにしましょう。

指2本分後退している

生え際が指2本分後退していたら、薄毛が進行している可能性があります。生え際の薄毛は、M字ハゲともいわれており、気付かないうちに進行していることもあるため、後退の基準を押さえておきましょう。

前髪を下ろしていても地肌が透ける

生え際が薄くなると、前髪を下ろしていても地肌が透けてしまうようになります。生え際だけが薄いのではなく、頭頂部にかけて全体的に地肌が透けるようになってきたら薄毛を疑いましょう。前髪で薄くなった生え際をカバーしようとしても、毛量が少なくなっているためスタイリングが難しいといえます。

突然髪が薄くなってきた

急に髪の毛のボリュームが減ったり、抜け毛が増えてきたりしたら薄毛を疑いましょう。気のせいと考えて放置してしまうと、薄毛がどんどん進行してしまう恐れがあります。髪の毛を洗ってシャワーで流しているときの抜け毛が以前より増えてきたり、枕についている抜け毛の数が増えたりした場合は、薄毛が進行している可能性があります。

まとめ

生え際や頭頂部は、ホルモンバランスの影響や生活習慣の乱れなどにより薄毛になりやすいといわれています。地肌が見えるようになってきたり、抜け毛が増えてきたりしたと感じた場合は薄毛を疑いましょう。また、薄毛を改善させるためには早めの治療が大切になるため、髪の毛が薄くなってきていると感じたら早めに病院や専門クリニックを受診することが大切です。

薄毛の治療方法は一つではなく、内服薬や外用薬の服用、自毛植毛などさまざまな方法があります。薄毛の原因は一人ひとり異なり、適切な治療方法も人によって異なります。そのため、髪の毛が薄くなってきたと感じたら、早めにクリニックや病院を受診し、自分にあった治療方法を提案してもらいましょう。

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