AGAの治療費の目安は？

治療を始めるにあたり、治療費を把握しておくことは非常に重要です。多くのAGA治療は保険適用外であり、全額自己負担となります。治療法によって費用が異なるため、自分の症状や予算に応じた治療計画を立てることが必要です。ここでは、治療費の支払い方法や、治療費を分割で支払う方法についても詳しく説明します。

１. 治療法ごとの費用の詳細

内服薬の費用詳細

フィナステリド（プロペシア）

フィナステリドは、AGA治療の中でも最も利用されている薬剤です。薬局やオンラインショップでは、ジェネリック薬品も取り扱われており、これにより治療費を抑えることができます。具体的には、プロペシアの1ヶ月分（28日分）でおおよそ4,000円〜7,000円程度の費用がかかります。ジェネリック薬のフィナステリドは、より安価で手に入ることが多く、1ヶ月分で2,000円〜5,000円程度で購入できることもあります。

• 月額の費用: 3,000円〜10,000円
• 年間の総費用: 約36,000円〜120,000円

デュタステリド（ザガーロ）

デュタステリドは、フィナステリドと同じくDHTの生成を抑制しますが、その効果はフィナステリドよりも強力です。そのため、デュタステリドを使用することでより速やかな効果を期待することができますが、その分費用は高めです。1ヶ月分で5,000円〜15,000円程度の費用がかかります。ジェネリック薬も出ており、多少安価に購入することが可能です。

• 月額の費用: 5,000円〜15,000円
• 年間の総費用: 約60,000円〜180,000円

ミノキシジル（リアップ）

ミノキシジルは、外用薬であり、頭皮に直接塗布することで血行を促進し、毛髪の成長を助けます。1ヶ月分の使用で5,000円〜8,000円程度の費用がかかります。塗布の際に注意すべきは、適切な使用方法と量を守ることです。外用薬は長期的に使用することが求められるため、年間で数万円程度の費用が発生します。

• 月額の費用: 5,000円〜8,000円
• 年間の総費用: 約60,000円〜96,000円

内服薬の費用総合比較

内服薬のメリット・デメリット

• メリット: 手軽に始められ、クリニックを頻繁に訪れる必要がない。継続的に使用することで効果が期待でき、他の治療法より費用を抑えやすい。
• デメリット: 効果が現れるまで時間がかかることがあり、副作用が現れる可能性もある。効果の維持には長期間の服用が必要。

２. 手術による治療費の詳細

FUT法（Follicular Unit Transplantation）

FUT法の手術は、1回の手術で広範囲にわたる毛髪移植を行うため、初期費用が高額になります。手術を受ける患者の状態により、移植する毛包の数が異なり、それに伴い料金が変動します。最も一般的な費用は、50万円〜150万円程度です。手術後は、約1ヶ月程度の回復期間が必要となりますが、最終的に見た目が大きく改善されることが多いです。

• 1回の手術費用: 50万円〜150万円
• 手術後の維持費用: 年間3万円〜5万円（内服薬や外用薬）
• 回復期間: 約1ヶ月（通常は数週間後に再生が見られる）

FUE法（Follicular Unit Extraction）

FUE法は、1本1本の毛包を採取して移植する方法で、傷跡が目立たない点が特徴です。しかし、FUT法と比較して、1本ずつ移植するため手間がかかり、その分費用が高額になります。1回の手術にかかる費用は、60万円〜200万円程度となります。大規模な手術を行う場合、手術の費用が上がることがあります。

• 1回の手術費用: 60万円〜200万円
• 手術後の維持費用: 年間5万円〜10万円（内服薬や外用薬）
• 回復期間: 約2週間〜1ヶ月

植毛手術の費用総合比較

植毛手術のメリット・デメリット

• メリット: 一度の手術で毛髪の密度が大幅に改善され、長期的に安定した効果が期待できる。回復後は維持費用が少なく、他の治療法に比べて持続的な効果が得られる。
• デメリット: 高額な初期費用がかかる。手術に伴うリスクや痛み、回復期間が必要。適切なクリニック選びが重要。

3. その他の治療法の費用比較

ノコギリヤシサプリメント

• 月額費用: 2,000円〜5,000円
• 年間費用: 24,000円〜60,000円
• 効果: 天然成分のDHT抑制剤として使用されることが多く、副作用が少ない点が特徴です。ただし、効果が実感できるまでに時間がかかり、すべての人に効果があるわけではありません。

医療機関でのレーザー治療

• 1回のセッション費用: 5,000円〜20,000円
• 年間費用: 約6万円〜24万円（10回のセッションを受けた場合）
• 効果: 低出力レーザーで血行を促進し、毛髪の成長を助けます。効果が現れるまで数ヶ月かかることが多く、複数回の治療が必要です。

その他の治療法の費用総合比較

その他治療法のメリット・デメリット

• メリット: 副作用が少なく、低価格で試しやすい。サプリメントやレーザー治療は手軽に取り組むことができる。
• デメリット: 効果が限定的であり、AGAが進行している場合には効果が不十分なことがある。継続的に治療を受ける必要があるため、費用が長期的にかかる。

4. 支払い方法と分割払い

AGA治療の費用が高額になる場合、分割払いを選択できるクリニックもあります。特に植毛手術などの高額な治療を行う場合、全額を一度に支払うのが難しいこともあるため、以下の支払い方法を確認しておくと安心です。

一括払い

多くのクリニックでは、手術や治療費を一括で支払う方法が一般的です。大きな費用が必要ですが、支払い後に追加費用が発生しないため、治療が完了すればその後の費用は発生しません。

分割払い

治療費が高額である場合、多くのクリニックでは分割払いのオプションを提供しています。クレジットカードを使った分割払いや、医療ローンを利用した分割払いが可能なことが多いです。分割払いを選ぶ際には、利息や手数料が発生することがあるため、契約前に条件をしっかり確認することが重要です。

月々定額制プラン

一部のクリニックでは、月々定額制のプランを提供していることがあります。これにより、治療を続けながら無理なく支払いを進めることができます。費用が分割されるため、金銭的な負担を軽減することができるという利点があります。

5. 治療費を抑える方法

治療費を抑えつつAGAを効果的に治療する方法にはいくつかの工夫があります。

ジェネリック薬を利用する

内服薬や外用薬の中には、ジェネリック薬が販売されているものがあります。ジェネリック薬は、ブランド薬と成分が同じでありながら価格が安価であるため、費用を抑えたい場合には選択肢として有効です。

オンライン診療を利用する

最近では、オンライン診療を通じてAGAの治療薬を処方してもらえるクリニックも増えています。オンライン診療では、クリニックの物理的な訪問が不要であるため、交通費やクリニックの運営費用が削減され、その分治療費が安くなることがあります。

定期的なチェックとメンテナンスを怠らない

AGAの治療は長期的な管理が必要です。治療を中途半端に中断したり、使用を怠ったりすると、効果が持続しない可能性があります。そのため、定期的にクリニックでチェックを受け、必要なメンテナンスを行うことで、長期的に見て治療費を効率的に使うことができます。

まとめ

AGAの治療費は治療方法や期間によって大きく異なります。内服薬や外用薬による治療では年間数万円程度、植毛手術では高額な費用がかかることが一般的です。治療を開始する前に、治療方法や費用をしっかり理解し、自分の予算に合った治療計画を立てることが重要です。また、支払い方法についても事前にクリニックに確認しておき、負担を分散する方法を選ぶことも検討しましょう。

治療の選択肢を広げ、最適な方法を見つけることで、AGA治療はより効果的に、そして負担を軽減して行うことができます。

参考文献

1. Healthline: Hair Loss Treatments
2. WebMD: Finasteride (Propecia) for Hair Loss
3. Mayo Clinic: Hair Loss Medications
4. FDA: Beware of Fraudulent and Unsafe Hair Loss Treatments

記事の監修者

---

岡 博史 先生

CAPラボディレクター

慶應義塾大学 医学部 卒業

医学博士

医師