AGA(男性型脱毛症)との鑑別疾患

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以下は、AGA(男性型脱毛症)と似た症状を示す他の脱毛症に関する詳細な説明です。皮膚科専門医が説明します。

  1. 円形脱毛症
    円形脱毛症は、自己免疫異常によって毛包が攻撃され、突然、円形や楕円形の脱毛が起こります。頭皮だけでなく、眉毛やまつ毛、体毛にも影響を及ぼすことがあります。原因は完全には解明されていませんが、ストレスや遺伝的要因が関与していると考えられています。治療法には、ステロイド注射や局所治療薬が使われ、進行度によっては免疫抑制薬も用いられます。
  2. 甲状腺機能低下症
    甲状腺ホルモンが不足すると、体全体の新陳代謝が低下し、髪が薄くなり、抜け毛が増えることがあります。甲状腺機能低下症に伴う脱毛は、頭皮全体に及び、特に毛が細くなりやすいのが特徴です。診断には、血液検査で甲状腺ホルモン(TSHやT4)を測定し、治療にはホルモン補充療法(レボチロキシン)が行われます。脱毛は、甲状腺機能が回復することで改善されることが多いです。必ず採血が必要です。FT3, FT4を測定しましょう。
  3. 貧血
    鉄欠乏性貧血は、ヘモグロビンの不足により体内に酸素が十分に供給されなくなり、脱毛を引き起こすことがあります。特に女性に多く、慢性的な疲労、皮膚の蒼白、息切れなどの症状も伴います。脱毛は、髪の全体が薄くなることが特徴で、鉄分補充や食事療法を行うことで改善します。診断には、血液検査で血清フェリチン値やヘモグロビンをチェックします。
  4. 脂漏性皮膚炎
    脂漏性皮膚炎は、皮脂の過剰分泌により頭皮が炎症を起こし、かゆみやフケが伴って脱毛が進行する疾患です。赤みやかさぶたも見られ、しばしば頭皮が油っぽくなります。原因には、ホルモンの不均衡やカンジダ菌(マラセチア菌)の過剰繁殖が関与しているとされています。治療には、抗真菌シャンプーやステロイドローションが使用されます。頭を清潔にすることが必要です。毎日洗髪をしましょう。
  5. 粃糠性脱毛症
    粃糠性脱毛症は、皮膚が乾燥してフケが大量に発生し、それに伴い脱毛が起こる状態です。乾燥によって毛包が弱くなり、毛髪が抜けやすくなります。原因には、乾燥した環境や洗髪のしすぎが影響していることがあります。保湿シャンプーの使用や、フケ防止のための治療を行うことで改善が期待されます。症状が慢性的になると、AGAと同様に長期的な対策が必要になる場合もあります。
  6. 休止期脱毛症
    休止期脱毛症は、ストレス、手術、出産、薬物療法などの影響で毛髪の成長が止まり、脱毛が増加する状態です。通常、原因となる要因が解消されると、数ヶ月以内に髪の成長が自然に再開しますが、重度の場合は治療が必要になることもあります。
  7. 瘢痕性脱毛症(はんこんせいだつもうしょう)
    瘢痕性脱毛症は、頭皮や皮膚の炎症や外傷によって毛包が破壊され、永久的な脱毛が起こる状態です。このタイプの脱毛症は、毛包が不可逆的に損傷されているため、髪の再生が難しいのが特徴です。原因には、自己免疫疾患(例:紅斑性狼瘡)、細菌感染、外傷、火傷などがあり、皮膚の瘢痕化によって毛包が破壊されます。治療は、進行を抑えるために抗炎症薬や免疫抑制薬を使用し、場合によっては外科的処置が行われることもあります。
地肌

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