FAGA(Female Androgenetic Alopecia、女性男性型脱毛症)は、女性に見られる男性型脱毛症の一種で、頭頂部の毛髪が薄くなるなど、特定のパターンを示す脱毛症です。以下に、FAGAについて「頻度」「発症年齢」「原因」「遺伝性」「進行度」「治療」の観点からまとめます。
1. 頻度
FAGAは、女性に見られる最も一般的な脱毛症の一つです。加齢とともに頻度が増加し、特に40歳以降の女性に多く見られます。統計によると、50歳以上の女性の約40%が何らかの形でFAGAに罹患しているとされています。
2. 発症年齢
FAGAは、思春期以降であればどの年齢でも発症する可能性がありますが、特に40~50代で症状が目立ち始める傾向があります。また、閉経後にホルモンバランスが変化することで、脱毛が進行するケースも少なくありません。
3. 原因
FAGAの主な原因は、男性ホルモンであるアンドロゲンの影響です。女性の体内にもわずかながらアンドロゲンが存在し、体質や加齢などで感受性が高まると脱毛が引き起こされます。加えて、生活習慣、ストレス、栄養状態の影響も受けやすく、複合的な要因が関与します。
4. 遺伝性について
FAGAには遺伝的要因が関係しているとされ、親から子に遺伝しやすい性質を持っています。家族内で脱毛症が見られる場合、FAGAを発症するリスクが高まる傾向があり、特に母方の家系に脱毛症の既往がある場合は、発症リスクが増加する可能性が指摘されています。
5. 進行度
FAGAの進行は比較的ゆっくりで、数年にわたり徐々に進行します。典型的には、頭頂部や分け目の部分が徐々に薄くなり、拡大していきますが、男性のように前頭部が完全に後退することは少なく、広範囲にわたる薄毛や地肌が見えやすくなる傾向があります。進行度は個人差が大きく、軽度から中度で進行が止まるケースもあります。
6. 治療
FAGAの治療には、薬物療法や外用薬、ライフスタイルの改善が挙げられます。
- ミノキシジル外用薬:ミノキシジルは血流を改善し、発毛を促す効果があり、女性のFAGA治療にも使用されています。
- スピロノラクトン:アンドロゲン抑制薬として、ホルモンの影響を抑える効果が期待されています。
- 食生活の改善やサプリメント:栄養不足を補い、毛髪の健康をサポートすることが推奨されます。
- PRP療法や植毛:重度の場合、PRP(多血小板血漿)療法や植毛などの医療的なアプローチも検討されることがあります。
FAGAは進行がゆっくりであるため、早期発見と対策が進行を遅らせるうえで重要です。適切な診断と治療により、症状の進行をコントロールすることが可能です。