AGA(男性型脱毛症):毛の抜け始めかた

AGA男性型脱毛症)の毛の抜け方は、特徴的なパターンを持っています。AGAは、主にホルモン(DHT: ジヒドロテストステロン)の影響で進行する脱毛症で、以下のような段階的かつパターン化された抜け方をします。

1. M字型脱毛

AGAの初期段階で最もよく見られるのが、額の生え際から髪が徐々に後退していく「M字型」の薄毛です。

  • 額の両サイド(こめかみ部分)から髪が薄くなり、徐々に後退していきます。中央部の生え際は残ることが多いため、結果としてM字型のような形になります。
  • 生え際が後退すると、額が広く見えるようになります。この段階では、まだ髪全体にボリュームがあるため、目立ちにくい場合もあります。

2. 頭頂部のO字型脱毛

もう一つの典型的な抜け方は、頭頂部(つむじ部分)から髪が薄くなる「O字型」の脱毛です。

  • 頭頂部の毛が細くなり、徐々に髪の密度が減少していきます。つむじの周辺から髪が薄くなり、進行するとO字型の薄毛になります。
  • この抜け方は、本人が気づきにくいことがありますが、上から見られたときに目立つことが多いです。

3. M字型とO字型の進行

AGAが進行すると、M字型O字型がそれぞれ進行し、最終的に頭頂部と生え際がつながり、広範囲の薄毛になります。

  • 前頭部と頭頂部の融合: M字型の脱毛とO字型の脱毛が進行すると、頭頂部と額の脱毛部分がつながり、前頭部から頭頂部にかけて大きな薄毛の範囲が形成されます。
  • U字型の薄毛: 最終的には、髪の毛が後頭部と側頭部にのみ残り、U字型の薄毛(クラウン型とも呼ばれます)となることが一般的です。この状態は、いわゆる「ハゲ頭」の典型的な形です。

4. 髪の細さと弱さの変化

AGAによる抜け毛は、単に毛が抜けるだけではなく、髪が細く弱くなっていく過程が見られます。

  • 軟毛化: AGAの進行に伴い、髪の毛が軟毛(細く柔らかい毛)に変化します。これは、ヘアサイクルが短縮され、髪が十分に成長しないためです。抜ける髪が細くなることで、頭皮の露出が目立ち始めます。
  • 成長期の短縮: 通常、髪の毛は2〜6年の成長期を持ちますが、AGAが進行するとこの成長期が短縮され、髪が十分に成長しないまま抜けてしまいます。

5. AGAの進行パターンの分類(ノーウッド分類)

AGAの進行具合は、ノーウッド分類という基準で段階的に分類されることが一般的です。これは、AGAの進行状況を7段階に分けたものです。

  • ノーウッド I型: 生え際の後退や頭頂部の薄毛がまだほとんど見られない初期段階。
  • ノーウッド II型: M字型に生え際が後退し始める段階。
  • ノーウッド III型: M字型の後退がはっきりと目立ち始める段階。頭頂部も薄くなることがある。
  • ノーウッド IV型: M字型の生え際の後退と頭頂部の薄毛がさらに進行し、頭頂部と生え際の間に髪が残っている段階。
  • ノーウッド V型: 頭頂部と生え際の髪がつながり始め、広範囲に薄毛が進行する段階。
  • ノーウッド VI型: 頭頂部と生え際が完全につながり、後頭部と側頭部にしか髪が残らない段階。
  • ノーウッド VII型: 最も進行した状態で、後頭部と側頭部にわずかに髪が残るのみ。

6. AGAの進行を放置すると

AGAは、進行を放置すると徐々に薄毛が進行し、最終的に広範囲の脱毛に至ることが多いです。自覚した時点で治療を開始することで、進行を抑えたり、毛髪の再生を促すことが可能です。

まとめ

AGA男性型脱毛症)の毛の抜け方は、M字型の生え際の後退頭頂部のO字型の薄毛が特徴です。これらのパターンは段階的に進行し、放置すると広範囲に髪が抜け、最終的にはU字型の薄毛になることが一般的です。早期に治療を開始することで、進行を遅らせたり、薄毛の改善が期待できます。

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