AGAと女性型脱毛症：違いと治療法の比較

はじめに

AGA（男性型脱毛症）と女性型脱毛症（FAGA）は、男女それぞれに多く見られる脱毛症の代表的な形態です。これらの脱毛症には異なる原因や進行パターンがあり、それに応じた治療法も異なります。本記事では、AGAと女性型脱毛症の違いと、それぞれの治療法について詳しく解説します。

AGAと女性型脱毛症の違い

1. 原因

AGA（男性型脱毛症）：

主な原因は男性ホルモン（アンドロゲン）で、特にDHT（ジヒドロテストステロン）が毛包に作用し、毛髪の成長サイクルを短縮させます。

遺伝的要因も大きく関与しています。

女性型脱毛症（FAGA）：

ホルモンバランスの変化、特にエストロゲンの減少が主な原因です。更年期以降に発症することが多いです。

ストレス、栄養不足、甲状腺の異常なども関与します。

遺伝的要因もありますが、男性ほど顕著ではありません。

2. 症状と進行パターン

AGA：

前頭部や頭頂部から進行します。

M字型に生え際が後退し、頭頂部が薄くなるパターンが一般的です。

女性型脱毛症（FAGA）：

頭頂部全体が均一に薄くなる傾向があります。

生え際は比較的保たれることが多いです。

AGAの治療法

1. 内服薬

フィナステリド：

5αリダクターゼを抑制し、DHTの生成を防ぐことでAGAの進行を遅らせます。

デュタステリド：

フィナステリドよりも強力に5αリダクターゼを抑制します。

2. 外用薬

ミノキシジル：

血行を促進し、毛包に栄養を供給することで、毛髪の成長を促進します。

3. その他の治療法

植毛手術：

自身の毛を薄毛部分に移植する手術で、自然な仕上がりが期待できます。

レーザー治療：

低出力レーザーを使用して、頭皮の血行を促進します。

PRP療法：

自身の血液を使用し、血小板が豊富な血漿を頭皮に注入することで、毛髪の成長を促進します。

女性型脱毛症の治療法

1. 内服薬

スピロノラクトン：

抗アンドロゲン薬であり、女性型脱毛症の進行を抑える効果があります。

フィナステリド：

女性にも使用されることがありますが、妊娠中や授乳中の使用は避けるべきです。

2. 外用薬

ミノキシジル：

男性同様、女性型脱毛症にも効果があります。女性用に低濃度の製品が用いられます。

3. その他の治療法

ホルモン補充療法：

更年期以降のホルモンバランスの変化に対処するために使用されることがあります。

低出力レーザー治療：

頭皮の血行を促進し、毛髪の成長を助けます。

PRP療法：

自身の血液を使用し、頭皮に注入することで、毛髪の成長を促進します。

AGAと女性型脱毛症の比較

まとめ

AGAと女性型脱毛症は、原因や症状、進行パターンが異なるため、それぞれに適した治療法が必要です。男性の場合、DHTの生成を抑える内服薬や外用薬、手術などが効果的です。一方、女性の場合は、ホルモンバランスの調整や抗アンドロゲン薬、外用薬が主な治療法となります。適切な治療法を選び、早期に対策を講じることで、薄毛の進行を抑え、健康な髪を維持することが可能です。

AGAや女性型脱毛症に悩む多くの方々が、適切な治療とケアを通じて、自信を取り戻し、充実した生活を送れることを願っています。それぞれの症状に合った治療法を理解し、効果的な対策を講じることで、薄毛の悩みを軽減しましょう。

記事の監修者

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岡 博史 先生

CAPラボディレクター

慶應義塾大学 医学部 卒業

医学博士

医師